暮らしを彩るものたちについて

30代の日々のこと。幸せでいるためのマイルール。

お稽古再開しました。

半年ぶりに茶道のお稽古を再開しました。

 

こんなにゆっくり一つのことに向き合う時間っていつぶりだろう?

気付けばお炭の火をじーっと見つめている自分がいました。

 

お茶室の凜としたそれでいて柔らかい雰囲気も、季節のお花も、力強い筆で書かれたお軸も、遊び心のあるひとつひとつのお道具も、本当に全てが心地良い。

久々に飲んだお濃い茶はがつんと濃厚で、苦味を感じた瞬間、一気に脳が覚醒したような。そうそう、ずーっと忘れてた、この感覚!

 

西洋の文化はオリジナリティ至上主義だけど、日本文化は絶対的固有のモノより形を重視する。モノはうつろいやすく消滅するかもしれないけれど、形は精神性が宿るよりしろであり、形を再生産することで精神性が永遠に受け継がれていく、という話を思い出してみたりして。かの有名な武将たちも嗜んだ茶道、そこに宿る精神性を現代にいながらにして共有できるなんて、想像するだけですごいと思いませんか?(もちろん当時は明日をもしれない命、一服にかける想いの重さは計り知れないけれど)

 

趣向を凝らしたお菓子は毎回可愛くてため息が出るし、黒い楽茶碗に抹茶の緑がすごく綺麗だなあ、とか、季節を現す言葉に触れて日本語の美しさを再認識してみたり、先生や生徒さんのお着物は毎回目を喜ばせてくれる。お軸に込められた思い、歴史的背景などなど。

 

私にとって茶道とは、知らなくても生きていけるけれど、触れていると確実に人生を豊かに彩ってくれるもの。心を耕してくれるもの。

 

以前母に言われて、今でも心に残っている言葉があります。

「茶道とかって、初めは何してるか全くわからなくても、ある瞬間コップの水が溢れるみたいに世界が変わって見えるよ。人生が豊かになるよ。あなたにそういうことを教えてくれる人がいて、本当に良かった。」

子供を産んで、私も娘に教えてあげたいことがこんなにも沢山ある、ということに気が付きました。これからは、自分のアップデートだけじゃなく、そんな新たな目標を持ちながらお稽古に通えそう。

…なんて偉そうなことを言っていますが、実際は言われたそばからひとつひとつ忘れていく劣等生の私…新しいお免状もいただけたので、気を引き締めて頑張りたい!

 

そうそう、先日のお稽古で素敵な禅語をいただきました。

「水急不月流」(みずきゅうにしてつきをながさず)

…周りに流されず自分を持つ。川の水は急に流れても、水面に映る月は決して流されない様子。ぶれない軸を持てば、周りに左右されることなく自分らしい人生を歩んでいける。

 

ご縁のある言葉と思ったので、手帳に挟んで大切にしています。2022年、そんな月のようにどんっと構えていられる自分でありますように。

 


f:id:g_oha:20220212154028j:image